中小企業の後継者不在率の減少。その謎…

令和4年4月刊行「2022年版中小企業白書・小規模企業白書」概要において、
中小企業のM&Aは、年間 1,379件以上実施される増加傾向であるものの、後継者不在の割合は 3.6%減少の61.5%でした。
これはつまり、2016年度において中小企業社数は360万社である中で、13万社近くが、後継者の不在を改善した状況を意味しています。
にわかに信じられません。

後継者不在の割合が改善する要因としては考えられる理由は以下です。

《後継者不在が改善できる方法と、改善した数の見立て》
  1. 中小企業の親族承継の推進 
  2. 中小企業の廃業/解散の推進…1万社程度
  3. 中小企業のM&A(売却)の推進…2万社程度
①親族承継の実行で、ずっと横ばいだった後継者不在率を突然改善できるはずがない。
②廃業は21年に4万社あった模様。但し、後継者不在による廃業が全てではない。1万社と仮定
③売却による代表交代はあり得るが、多くても2万社程度ではないか。(あるメディアでは年間 4千件と推論)

であれば、残りの10万社が①親族承継で改善したのか。

当社の見解は、否であり、
背景は帝国データバンク(TDB)に「後継者不在」欄で、申告する方々が減っただけのようにも思える。
TDBからデータを購入し、営業を掛ける仲介業者が多い。営業に辟易した経営者の方々が多く、申告を控えたのではないか。
TDBは自社で分析を掛けており、20年から「後継者がいる」チェック欄にチェックを入れ直した企業が、うち32.9%もいる模様
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p211104.pdf

本当に改善したならば、喜ばしいことだが、実態と乖離が生じているならば、
日本の経済力を計る指標に影響を与えてしまう程、M&A仲介業者の営業は問題を孕んでいるのではないだろうか。



※上記推察は根拠を示したものではありません。

プロアクティブパートナーズ合同会社